右下腹部の痛みについて
2025/11/19
那珂川市のクリニック 吉田クリニックです。
今は紅葉が見頃の時期でしょうか。短い秋ですが、晴れた日のドライブや散策を楽しんでいただければと思います。
「虫垂炎(俗に言う盲腸)」で手術を受けられた方も多いかと思いますが、虫垂炎では、初期はみぞおちからおへそあたりの痛みがでて、徐々に右下腹部に痛みが移動することを経験された方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような現象を放散痛と言われます。放散痛を呈する疾患で、他に有名なものは、「狭心症」、「胆嚢炎」です。「狭心症」では、胸の痛み以外に、歯の痛みや肩の痛みを訴えられる方がいらっしゃいます。また、「胆嚢炎」でも胆嚢がある右上腹部ではなく、みぞおちあたりの痛みを訴えられる場合があります。
「虫垂炎」や「胆嚢炎」による放散痛のメカニズムとしては、内臓の痛みと腹壁や胸壁の痛みを感じる神経が異なること、痛みを感じる異なる神経が同じところに収束していることが考えられています。
内臓の痛みを感じる神経は、刺激を伝える伝導速度が遅いため、鈍く、重苦しく、持続的な痛みを呈することが多いです。一方で、腹壁や胸壁などの痛みは、伝導速度が早く、鋭い痛みになります。これらの神経は、同じところに収束するとされています。そのため、脳は内臓の痛みか体表の痛みか区別できませんが、脳は体表の痛みの方が経験が多いため(内臓が痛むよりも、こけたり、ぶつけたりして怪我することが、圧倒的に多いと思います)、内臓の痛みを体表の痛みと認識してしまうと言われています。なお、痛みを感じる部位は、内臓の痛みを感じる神経が関連する脊髄の高さに応じて変わります。虫垂は、脊髄レベルで胸椎の9番や10番目の高さになりますので、みぞおちのやや下から、おへそあたりになります。胆嚢は胸椎の5から9番目の高さになりますので、みぞおちあたりになります。
「虫垂炎」では、初期は内臓の痛みがあり、炎症が強くなるにつれて、近くの腹壁などに痛みが波及します。そのため、最初は内臓の痛みを、おへそあたりの痛みとして感じ、腹壁に炎症が波及すると、腹壁の痛みとして認識するため、痛みが移動します。
ちょっと長くなりましたが、今回は「放散痛」について、説明させていただきました。痛みの部位や変化などは、疾患の鑑別、適切な検査を行っていく上で重要な情報になりますので、病院受診時に痛みの感じ方、部位などについて、些細なことでも構わないので、遠慮なく伝えてもらえばと思います。
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