【人間ドック行ってます】那珂川市のクリニック｜吉田クリニック

那珂川市のクリニック、吉田クリニックです。

日中はまだまだ暑いですが、朝夕は気温も下がってきて、秋の気配を感じるこの頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

さて、当院ではCTやMRIを用いた各種人間ドックを行っていますが、今回は上腹部MRIによる人間ドックをご紹介いたします。

上腹部と言っても、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、対象となる臓器は、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、副腎などになります。

胃や十二指腸のほか、小腸や大腸の一部も範囲に入ってきます。その他、肝臓、胆嚢、十二指腸につながる総胆管も対象となります。

今回はその中でも膵臓の疾患に対する人間ドックの有用性をご紹介いたします。

 

膵臓は図の矢印部分にある臓器ですが、体の真ん中ほどにあます。前からも後ろからも距離があり、最も深いところにある臓器と言ってもいいのではないでしょうか。皆様ご存じの様に、膵臓は血糖値に関与するインスリンを分泌する臓器になりますが、膵液いう消化酵素も分泌しています。インスリンは血中に分泌されますが、膵液は膵臓の中の膵管を介して十二指腸へ分泌されます。

膵臓の疾患で最も有名でかつ予後が悪いのは、膵癌になりますが、膵癌の診断が難しいのは、症状ができにくいだけでなく、膵臓が体の深いところにあるため、なかなか診断が難しい点です。超音波検査は有用ですが、皮下脂肪や内臓脂肪が厚いと見にくくなりますし、腸管ガスが多いと見えませんので、超音波のみで評価することは難しいと思います。当然、超音波の達人であれば見える範囲も広くなるかもしれませんが、それでも限界があると思います。

 

一方でMRIでは膵臓のみでなく、膵臓にある膵管も描出することができます。図の2つめは胆嚢、膵管、総胆管などを描出する撮像方法になりますが、矢印部分が膵管になります。一般的に膵癌が発生すると、腫瘍により膵管が狭くなったり、詰まってしまう事が多く、このように膵管を明瞭に描出ことは、膵癌診断に有用な方法となります。また、膵には嚢胞性病変が発生することも知られており、その中のいくつかは膵癌発生のリスクがあるものになります。そのため、膵嚢胞性病変については、定期的な観察が必要となります。その点、この図2の様な撮像方法は嚢胞性病変も明瞭に描出可能ですので、病変の発見のみでなく、定期的な観察でも有用なツールになります。

 

以上、大まかではありますが、膵臓に関してのMRIによる人間ドックの有用性をご紹介させていただきました。

上腹部MRIによる人間ドックについて、お問い合わせや受けてみたいと思われる方は、お電話にてお願いいたします。