【人間ドック行ってます】福岡県那珂川市のクリニック｜吉田クリニック

福岡県那珂川市のクリニック、吉田クリニックです。

皆様いかがお過ごしでしょうか。新年度も始まり、新しい環境で過ごされている方も多いかと思われますが、環境変化は体調変化の原因にもなる因子です。また、朝夕の寒暖差が大きいのも、体調に影響を与えます。体調変化にご注意してお過ごしください。

さて、当院ではCT検査やMRI検査での人間ドックを行っておりますが、画像検査の有用性について、喫煙との関連性を元に説明したいと思います。

まず、喫煙については、医療機関を受診された際に、1日の喫煙本数および喫煙した期間、いつ禁煙したかなどを必ずと言って良いほど聴取されると思います。喫煙については、ブリンクマン指数というものがあり、これは1日の喫煙本数と喫煙期間(年)をかけた指数になります。400を超えると、肺癌のリスクが上がり、700を超えるとCOPDのリスクが上がるとされています。COPDとは、簡単にいうと慢性気管支炎や肺気腫になります。また、最近は肺気腫と肺線維症が同一症例の中で混在する病変、気腫合併肺線維症も喫煙と関連していると言われています。その他、喫煙により肺癌以外の癌、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などのリスクも増加すると言われています。

喫煙とCT検査については、重喫煙者(ブリンクマン指数600以上)の方では、単純CTでの健診を行うことで、胸部レントゲン検査での健診よりも肺癌による死亡が20%ほど減少したとされています。気腫合併肺線維症については、CTによる診断が有用とされているだけでなく、肺癌のリスクが高く、その点からもCTによる評価が有用と思われます。先ほど述べた様に、喫煙では狭心症・心筋梗塞、脳卒中などのリスクも上がります。虚血性心疾患については、心電図検査や心エコー検査などのほか、冠動脈CT検査も有用です。脳の血管評価では、頭部MRI検査が有用です。

禁煙をすることで癌や虚血性心疾患・脳卒中などのリスクが下がりますので、是非禁煙をお勧めしますが、残念ながら肺気腫など肺が受けたダメージなどは簡単には元に戻りません。動脈硬化による変化も同様です。そのため、禁煙を行ったからもう大丈夫との認識でなく、喫煙されない方よりも癌や虚血性心疾患・脳卒中などのリスクが高いと考え、ご自身のからだのチェックは定期的に行っていく必要があると考えます。

喫煙はストレス発散などについて有用な方法だと思いますが、健康リスクを増加させてしまいます。できれば禁煙していただきたいものですが、なかなか難しいのも現実です。喫煙を継続される方については、健康リスクを考えた上で、ご自身の体のメンテナンスを十分に考えていただきたいと思います。

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